エストニアとリモートワークについて私が知っている二、三の事柄

エストニアと開発をしていたら、突如オフィスを失い、リモートワークになったCTOの日々のメモです。

ミケラジェロ・アントニオ−ニの 『さすらいの二人』(V)を深夜に見る。若き日のジャック・ニコルソンがいい。『ある貴婦人の肖像』でのジョン・マルコビッチを思わせる。併しマルコビッチも年を取ると今のニコルソンやデ・ニ−ロのやうなやにさがつたおやじにならないかと心配だ。冒頭の砂漠のシ−ンのサンド・ベ−ジュの色がとても美しくてそれだけでもこの映画は傑作なのにラストの5分以上は続くワンカットでこちらの息の根が止められた。昨日見た『ベニスに死す』を越へて心のベスト10に入つてしまつたのである。
 神戸三宮の古本屋で「ラフォルグ抄」(吉田健一譯)、「金井美恵子全短編 1」 を買う。「ラフォルグ抄」は吉田健一を深く知るためには必携でありこれがたつたの1000円といふのは何かの間違いに違ひない。 その他、ジュンク堂で「英国に就て」「新編 酒に呑まれた頭」吉田健一ちくま文庫)、「作家の日記」ドストエフスキ−(ちくま学芸文庫)、「谷川俊太郎詩集」(思潮社)。「谷川俊太郎詩集」はいつか早稲田の古本屋で売り飛ばしてしまつたのだけれど最近また読み返したくなつて3500円も払つてまた買つたのだ。いい本はやはり手元に置いておかなくてはいけない。