エストニアとリモートワークについて私が知っている二、三の事柄

エストニアと開発をしていたら、突如オフィスを失い、リモートワークになったCTOの日々のメモです。

もうすぐ1997年が終わります。開設して3カ月ぐらいになるこのページですが、年末から年始にかけて時間があれば、読書と映画の『1997年ベスト10!』みたいな企画をやろうと思っています。
しかし、こういう日記のページは至るところにあり、僕のページも含めてどれも似たような企画が多くて、そんな中でどういう「商品価値」を出していこうか、最近模索し始めてもいます。
好きな本や、よかった映画について書くのは楽しいけれど、それだけでは少し物足りないですし、これを読んでくださっている方々にも失礼、ということで来年は何かやります。やりますとも。
とりあえず、来年もよい年でありますように。
この拙いページを読んでくださった皆様に感謝いたします。

人より少し早く25日から冬休みに突入している。そんな訳で今日は大阪難波の松竹角座で黒沢清監督、役所広司萩原聖人主演の『CURE/キュア』。素晴らしい。役者・脚本・映像・効果音、どれをとっても文句なし。これは間違いなく黒沢清(あの伊丹十三とやった『スイートホーム』、そして『地獄の警備員』、最近では哀川翔前田耕陽主演の痛快チンピラドラマ『勝手にしやがれ』シリーズがある)の代表作になるとともに、日本映画史にも残る傑作である。こんないい映画をどんどん世界に「輸出」して欲しいものだ。
役所広司萩原聖人の緊迫したやりとりにも感服したけれど、今回息を飲んだのは黒沢清が見いだしたpale blue , pale yellowと呼ぶべきような、薄い色合いをスクリーンに定着させていることだ。
日本人の肌の色のようなpale yellowを病院の壁に現出させ、暗闇の中をpale blueに満たす、その映像的センスは、北野武とは違った形でこれからの日本映画を予感させる。(僕は『日本映画』って言葉があまり好きでないけれど、マーケットとして現在、その分割線があることは認めざるをえない。)
『KITANO BLUE』の発見を外国人に取られちまった僕らは、今こそ、『KIYOSI YELLOW』を自分の目で発見するべきだ!、なんてたわごとを吐いている暇もなく、みなさん、とにかく、『CURE/キュア』を見に映画館に足を運んでください。KIYOSI YELLOWは映画館じゃないと見ることができませんぜ。
そして、これが僕の1997年度、日本映画NO.1。文句なし、です。