藤田 自伝 その1
知り合いがmixiで自伝を始めた。
面白い企画だ。
ということで、不肖・藤田も自伝も始めます。
その1 ハムスターの記憶
世の中には、とんでもない記憶力を持っている人がいるもので、中には産湯を覚えているなどという人もいる。
でも、そんなに記憶がいいと、東大を出たり、小説を書いたり、意味もなくボディビルを習ったり、金閣寺を燃やしたり、自衛隊駐屯地で自害したりすることにもなるから、結構面倒な人生になるんじゃないかな、と個人的には思う。
前世なるものを記憶している人もまわりには結構多いのだけれど、だいたいが、貴族なのがどうも信じがたい。
僕の知る限りでも、マリー・アントワネット、ヨーロッパの貴族・・・そんな前世を持つ人ばかりだ。
ま、絶対、嘘だね(笑)
一人だけ信じてもいいかなと思う人は「私の前世は、体がどろどろに汚れていて、真っ黒な足で野原を歩いている」という人がいて(前世療法でそういうイメージが出たらしい)、そのイメージ力の確かさが、真実に近いのだ。
マリー・アントワネットが前世の人、絶対に絵で書けないね。きっと書くと漫画みたいになるはずだ。
それはともかく、僕の人生最初の記憶は、神戸の須磨の狭いアパートの一室だ。
僕が3歳ぐらいの時。西暦で言えば、1974年ぐらいなんだと思う。
6畳一間ぐらいのアパートで、きっとそれは母の知り合いか何かのアパートに遊びに行ったのだと思う。
そこにハムスターがいて、その、かごに入ったハムスターだけを僕は鮮明に覚えているのだ。ひまわりの種をあげた記憶もある。
暗い部屋。ハムスター。ひまわりの種。
それがなんだ、と言われても困るんだけど、僕の人生最初の時の記憶はハムスターなのだ。
だから、きっと、人生最後の記憶(そんなものがあるとしたらだけど)、同じようにきっと訳が分からないものになるのだと持っている(笑)
でも、人生、それでいいような気がする。
少なくとも、僕は神戸の須磨の狭いアパートにいたハムスターの一人の生き証人なのだ。
ハムスターよ。ここに書いたから、きっと100人ぐらいの人が見てくれると思う。
なんで、記憶に残っているんだろうね?
(つづく)